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社会福祉法人 松寿会 
特別養護老人ホーム長生園
〒991-0063
山形県寒河江市大字柴橋2246-1
TEL.0237-86-8868
FAX.0237-86-8865

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特別養護老人ホーム
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022443
 

理事長挨拶

   
平成31年度 理事長訓示
理事長 小松栄一(小松医院 院長)
   平成31年度の開始にあたり、一言申し述べます。
 いよいよ今年は長生園の増改築が始まります。昭和56年から使ってきた施設を順次新しくしていくことになります。日常業務を行いながら新しい施設を作り、できたところから移転をし、そのあとに古い施設を解体し新たな施設を作るということになります。これまで、何度となく打ち合わせを重ね、住みやすく、使いやすい施設にするべく相談をしてきましたが、まだ手直しができる段階ですので、今までにない良いアイディアが出たり、考え直した方がいいと思われるところが出たら、どしどし意見を出して下さい。
 
   さて、先日ある医療機関で、慢性腎不全の患者さんに透析の中止を選択肢として提示した所、その患者さんは透析を中止し、結果お亡くなりになったという記事が掲載されました。一つには、ある全国紙がこの件を一週間にわたって一面で報道し、一方ならない関心を示しました。一般に全国紙と言われる報道機関が、一週間連続で一面報道するには何らかの強い思い入れがあると考えます。その報道を見ると、腎不全の患者さんに透析をしない、または透析の中止をすることは死に直結するということから、死という選択肢を医療従事者が患者さんに提示していいのかという倫理的な問題として社会に訴えようとする意図が見えました。この報道は、社会的なコンセンサスが得られていないまま医師が自分の思いだけで治療に関する決定を下していいのかという論調ですが、皆さんはどう感じますか。
 
 今回亡くなられた患者さんは、40代の方で、もし透析を継続すればさらに何年かは生きていた可能性が高いということでしたが、そのほかにも何人かの患者さんが同様の選択を迫られ、5名が透析中止を選択して亡くなったということです。その他に、透析導入時に非導入の選択肢を示され、導入しなかった方が20名程いたとのことです。その多くは70歳以上の高齢者だとの事ですが、この後の報道には年齢のことは触れられていません。
 
 では、私達の周りではどうでしょうか。食事が取れない、または誤嚥を繰り返し食事摂取自体が生命の危機を招く場合の経管栄養や経静脈栄養の導入。もちろん腎不全の場合の透析導入。呼吸困難時の気管切開や酸素吸入、そして人工呼吸器の装着。心臓疾患に対する人工ペースメーカーや埋め込み型除細動器の手術。超高齢弁膜症患者に対するTAVIという人工弁付き人工血管の挿入。何も医学的には施行可能なものですが、超高齢者や脳血管疾患の後遺症で寝たきりの方、認知症の方など、その導入を家族でさえもためらう方が沢山おり、介護施設では、これ等の場合看取りと称して積極的治療を行わない措置が認められています。
 
   そこで疑問に思うのは、年齢で全てを割り切っていいのかという事です。高齢者だから、回復不能な障害を抱えた方だから看取りもしょうがないと考えていいのか。105歳になってもまだ生きようと頑張り、もっと体が動くようになりたいと考える方がいることは皆さんも承知しているはずです。何が先の記事に取り上げられた透析問題と違うのでしょうか。
 
 安楽死や緩和ケアの問題を考えるとさらに論議は複雑になります。安楽死は年齢で区切るものではありませんし、一時期安楽死イコール末期がん、緩和ケアイコール末期がんといったステレオタイプの考え方がまかり通っていましたが、今は様相が違います。例えば、緩和ケアと切っても切れない関係にある疼痛コントロールですが、昔は末期がんの疼痛コントロールにモルヒネをという考え方が一般的でした。しかし、今は変形性関節症等有りと凡ゆる疼痛に対してモルヒネを使う流れが出ています。治療の選択肢が増えたから、何でもかんでも治療しましょうは正しい選択なのか?リビングウィルにどう対応するのか?家族の意向とどう向き合うのか。
 
 私がここで皆さんに言いたいのは、一つの答えを導き出すことではありません。世の中には多種多様な考え方があり、それに対する取り組みにもいろんな形がある。答えは一つではないが、だからこそ私たちの目の前に繰り広げられる毎日の生活の中で起こっている事への答えを求めて、自問自答を繰り返さなければならない。そして、時間が過ぎる時に考えも変わっていく事があり、それをどこまで受け止めなければならないのか。どこまで受け止められるのか。その許容範囲を増やす事が私達に求められている事なのではないか、という事なのです。
 
 今回の問題は、一般の方には分からない深い悩みが私達には存在することを図らずも意識させてくれました。皆さんも、自分の立場でそれぞれ考え行動する事。そして、もっと重要なことは、一人の独善で行動するのではなく、組織の中で、あるいは大きなグループの中でよく話し合って、みんなが納得できる着地点を見つける努力が必要であり、その努力を終わりなく続ける事が重要であることを認識するきっかけとしてもらいたいという事です。
 
 
 
~平成31年4月1日 理事長訓示より~   社会福祉法人松寿会 理事長 小松栄一
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